自分が経営者だったら、自分の仕事を喜ぶだろうか。
「もし自分が経営者で職人を雇う場合、あなたは入社試験でどんな質問をするでしょうか?」
質問自体は専門家でなくても何とか考え出せるものだ。だがよい答は難しい。
Barさんの質問は「あなたがいいと思う作品を10個作ってください」というものである。
(中略)
「要件を満たす人材を見つける」という意味では、確かにこれは良問だ。しかし、良問という場合は、質問者が作ったものである。それに対して、「サンプルを作って持って来い」というのは、すでに確立された質問のいいかえであり、職人が職人を値踏みするのであれば必ずする質問ではないか。
ただし、質問する側に圧倒的な知識と確固たる「価値観」が確立されていないと、この質問にはあまり価値はありません。
これまた当然である。「サンプルを見せろ」は、見る側に鑑定能力があって初めて成り立つ質問だ。質問者がそのサンプルに対し圧倒的な知識と確固たる「価値観」があるのは当然だ。なにしろそれが間違っていればおまんまの食い上げなのだから。
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仕事をするときは、常に「自分が経営者だったら、自分の仕事を喜ぶだろうか」と常に自問するべきだ。
自分でいい仕事をしたと思っていても、それが会社の求めるものと異なれば、それはたとえ出来が良くてもいい仕事とは言い難い。
自分のしたいことと、自分にお金を払ってくれる人が望むことの兼ね合い。どちらに比重が寄ってもそれは仕事としては失敗になる。
自分が人を使うのならば、サンプルの提出は当然だろう。
自分が考えるチームにそいつが必要か。その人間をどこに配置し、どう使うかを考えるためにもサンプルは絶対に必要。
話を自分の場合に当てはめる。僕は、今の仕事をマニュアル化して自分が手を使わなくても動くようにさせたい。自分が手を動かしているうちは自分一人分の仕事しかできないが、分業を上手に行えば、人数分+αの結果を創出できるようになるかもしれない。そのために必要な人間はどんな者なのか。
映像に関しては、カット編が上手い者。素材の奥に通る意味を見出せる者。タイトル制作のセンスが高い者。自分の想像つかないような新しいヒントを与えてくれる者。いろんな人間が必要だ。
そのためには、面談よりもとにかく作って来て見せろ。作り屋には当然の課題だ。
ただ、一つ重要なのはそれが「10個」作って来いというところだ。1個や2個作って来いというのではない。一つのモノを深く追求する者は、いてもチームに一人か二人。それよりは、充分なものを量産できる者の方が、チームにはよほど重要だ。
理想は、各分野において自分より高い能力を持つ者を集めること。
そして自分は、人が納得する知識や価値観と、頼む理由を説明できるだけの説得力を持つ。チーム編成、これは一つのルーティンのプログラミングにもなるのだろう。
そして、自分が制作現場出身の技術屋だというのは、最悪自分で手を動かせばケツは拭けるという強みがある。
それより怖いのは、他人に自分と同じような制作物を期待してしまうことだ。視点の置き所は、場合によっては欠点になりうる。
技術者は、どんどん育つ。若く新しい後進も次々と現れるだろう。直前のエントリーとかぶるところだが、いつまでも同じことをやっていても飽きは来るし成長は鈍化していく。同じことをし続けるのは、人間よりもコンピューターの方が得意だ。
現場のことを充分に理解し、さらに広い視野を持って仕事を推し進められるように自分の成長の方向を調整していく必要がある。
こういった話は、リーダー論や組織論で散々論されてきたことなのだろうが。それでも、恥ずかしながら自分の文章でも書いてみた。
dankogai氏の今エントリーのラスト3行、
(プロにとっての)児戯を褒めることにはきちんと意義があるし、その意義を臆面もなく、そして屈託もなく声に出して読み上げるのが斎藤孝の斎藤孝たる所以だが、広く浅く褒めるばかりでは褒められる方にも張り合いがない。広さを犠牲にしてでも、もう少し深い褒めも見てみたいものだ。
ここはまだ僕には理解に至れないところだ。
「児戯を褒める」、この表現にぴくっときたのだが、そう考えて誉めることはある種傲慢さがにじみ出ないだろうかと不安にもなる。しかしそれはきっと必要な技となっていくんだろう。
上ばかり見ているだけでは、足元がおろそかになって崩壊するのだろうか。ここはまだ自分の中では「~だろうか」の段階だ。
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