新機能レビューや詳細な計測などは他の方のより専門的なレビューを参考にしていただくとして、ここは実際の仕事現場からの現実的な使用感として「Adobe Premiere Pro CS3」について書こうと思う。
さて、この間会社のマシンでプレミアをPro2からProCS3へとバージョンアップした。同時にフォトショ、イラレその他Adobe Creative Suite 3 Production Premium一式を入れてみた。その上で。あまり言いたくはないが、今回のプレミアは非常に「作りが粗い」。2から3へは、ほぼマイナーチェンジで機能上たいした変化がない分、細かい部分が粗くなっているのが引っかかる。左下が、デュアルでプレミアを開いた画面だ。インターフェイスは2と特に変わりない。
まず、「動作が非常にもっさりしている」。他アプリケーションの切り替えが遅い。僕の使用環境はCore2DuoE6600、メモリ4GB(XPなので実質3.25GB)なのだが、フォトショやブラウザ(FireFox)との切り替えごとに1~2秒砂時計化する。これが非常に迷惑。作業のリズムを乱されることになる。基本的に動作がやや重く、タイトル作成時などに警告なしで落ちることが多々ある。唐突なダウンはプレミアのお家芸的なもので、いまさら何言ってるんだこまめに保存しろよと言われればそれはもちろんそうしているのだが、しかし2では警告がありギリギリリカバリが作られていたものが、リカバリすら作成されない唐突なダウンになってしまったのは相当厄介。ただ、これは僕を含めて会社のプレミアの弄り方が半端ないせいもあるかもしれない。タイトル量が異常。10分程度でタイトル数300はいく。現在僕のやっているプロジェクトでタイトル新規作成すると、「タイトル2000」となるくらいだ。あまりタイトルを使わない人にはそうでもないのかもしれない。
タイトルデザイナー自体が、非常に使い出が悪くなっている。まず、「F9」ショートカットでなくなっている。今回のプレミアは何を思ったか、ショートカットキーを変えてしまっている。主に「F9」、「ctrl+M」「ctrl+shift+M」の書き出し、「M」の以降全選択ツールなどがなくなった。なぜだ。自分でカスタムで変えることはできるのだが、そのカスタム設定が、立ち上げたときに記憶していないときが多々あるのだ。いや「カスタム設定」内に残っているのだが、勝手に「基本設定」に戻されている。なぜだ。
話を戻そう。タイトルデザイナーだが、まず「スタイルの読み込みが非常に遅い」。2のときはそんなことはなかった。思うのだが、今回のプレミアではタイトルがあまり重視されていないのではないだろうか? 僕たちのようなテロップ乱舞をするタイプの映像屋には非常に困る。タイトルデザイナーは、もともととても優秀でかなり使い勝手がいいツールだった。それが弱ってしまったのは残念。プロパティを調整するとこにある三角形の折りたたみキーは、ムダにアニメートする。余計。そこにこだわりは誰も求めないだろうと思う。また、タイトル作成画面を開くたびにパネルがズレていくのは仕様だろうか。これが最悪だ。数個タイトルを作るたびに、パネルの形を直さなくてはいけない。これも原因と解決法がまだわからない。
HD編集や書き出しについては、僕は現在のところ範囲外なのであまりコメントができない。CS3がそこに力を入れたのならば申し訳ないと思うが、まだまだそこまで大きくない制作プロダクションでは、導入は進めてはいるもののHD編集やblue-rayはあまり現実的ではないのだ。
Adobeは、この先デュアルよりシングルのシネサイズモニタを推奨する方向なのだろうか? 2から採用されたワークエリアのパネルシステム、それ自体はとても気に入っている。無駄がなくて流動的で使いやすい。ただ、デュアルだと少し使いづらいのだ。本体のウィンドウを左モニタにして、タイムラインとエフェクトウィンドウだけドッキングを外して右モニタへというやり方にしているが。できれば全部ウィンドウにしまって、せっかくのパネルをフルに生かしたい。
CS3全体は非常にいい感じだ。webアプリはいじっていないが、Photoshopは劇的に起動が早くなり、動作もきびきびした感じだ。何も起動していない状態ならば、3秒でフォトショが起動したのには驚いた。新しいアイコン式かつ流動的なワークエリアも、まだ完全に使い切れてはいないが作業スペースを整理したがる僕タイプには非常にありがたい。AfterEffectsは6.5からのバージョンアップだが、こちらはプレミア以上にパネルが便利。英語圏でないうちらには、新たに搭載された「検索窓」は残念ながらあまり使えない。アフターもこころなしか動作が軽い気がする。DynamicLinkという、アフターのコンポをプレミア上に直接読み込む機能ができた。これは、PVやオープニングなど、音との同期を図りたいときに重宝しそうだ。まだ使い切れてはいない。一つわからないのは、CS3インストール時にフォントがぐちゃぐちゃにされたことだ。デスクトップやブラウザのフォントは少々見やすくカスタマイズしていたのだが、それが問題だったのだろうか。いったんえらいことになった。ソフト以外のOS周りなどはあまりAdobeさんでいじって欲しくない。
一つ大きな難点。アイコンだ。左がCS3のアイコン群。上からイラレ、プレミア、アフター、フォトショだ。どうだこのわかりづらさ! さらに右を見ていただきたい。こちらは、表示を詳細表示にしたもの。もうケンカうってるとしか思えない。イラレは黄色いからまだいい。プレミアとアフターの色の似てるっぷり! さらに、プレミアとフォトショにいたっては、色が近いだけでなく「Pr」と「Ps」。わかりづらいって! なぜ考えなかった…(’A`) 統一感より、わかりやすさを優先して欲しかった。おそらくwebアプリの方もこんな感じで、DreamWeaverで緑、Flashで赤使っちゃってこれ系の色しか残んなくなっちゃったんだろうけど。最初に考えようよー…( #^ω^)ピキピキ
結構辛口に書いたが、これが普段から使う者としての今回のプレミアに対する忌憚なき意見だ。開発スタッフには、派手なバージョンアップや新機能よりも、日常的に仕事で使うソフトウェアとして細部の使い勝手をもっと追求してもらいたいと思う。CS3、プレミアをのぞいてはおおむね好印象を持っているだけに、プレミアのみが非常に残念と言わざるを得ない。僕は、いったんPro2に戻そうと思う。次のバージョンアップに期待する。その他、webアプリやSoundboothなど使用機会が来次第レビューしようと思う。
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「Adobe Premiere Pro CS3」レビュー&使用雑感
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by Ham | 1月 2nd, 2008
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