スカイ・クロラ / 森博嗣
映画公開が近いということで。
いやーいい世界観。
最近ラノベとかで流行ってそうなタイプの主人公。よくいる、無気力でクールで自然体な。
刹那的な考え方は、自分自身がそうだった。
なりゆき任せ、感覚に従って生きて。何も持たず、何にも縛られず、常に自由で。自立して、人に迷惑をかけず好きにぶらりと生きるならそれでいいんじゃないか、それが自分の基本スタンスだった。
確かに楽しかった。だけど、一生刹那でいるもんじゃないな。
楽だけど、孤独。自由だけど、地に足がつかない。親和欲求や所属欲求が満たされないんだな、これが。
刹那の喜びは、少年の喜びなんだ。
いつまでも少年な主人公に羨ましさと苛立ちを持って読み進めていくと、あぁなるほど、「キルドレ」ってのはそうなのか。そこまでいって納得。
人間は歳をとる。
人より多く刹那を楽しんだ青年は、地に足をつけて歩き始める。もっと大きな喜びと自由を求めて。
居酒屋ほろ酔い考現学 / 橋本健二
早くオッサンになりたぁぁぁい!!( ゚Д゚ )
大衆居酒屋を観察することから現代社会を考える。「考現学」。
まあそれらしいこと書いてたのは、ほとんど最後の格差社会について述べてたとこくらいだったのですが。どちらかと言うと、ひたすら居酒屋の薀蓄。
ものすごく面白かった。
ただ、場末の大衆居酒屋は今の歳だと入りづらいんですよね~(´・ω・`) 一人でぷらりと入りたいんですけど。
上野の立飲み屋「たつなみ」が大好き。まずいところがいい。
うぅ…、行きたくなってきた。
図解 マナー以前の社会人常識 / 岩下宣子
少々必要に駆られ、読み出してみた。
これが実践になるとなかなかスムーズに出来ないんですがね(;^ω^) 気を使おうとすると、不自然になって「いかにも」って感じになっちゃう。
身体が自然に動くようになるまで刷り込もう。恥は若いうちにかけるだけかいとく!
空の中 / 有川浩
やられた! めっちゃくちゃおもしろい!
キャラがもういかにもラノベ、文体も思いっきりラノベだなぁ…って思って読んでたら、ラノベ出身の作者さんでした。
光稀さん実にいいツンデレです。しゃべりの締めが全部「!」です。心地いいくらいベッタベタでニヤニヤ恥ずかしくなりました。
ラノベは学園ものばっかりだからなぁ。こちらの方がいい。
設定も面白いし、ものすごく読みやすい。まさに良質のエンターテイメント。
非常にオススメしときます。
色の新しい捉え方 / 南雲治嘉
色彩検定に真っ向から対立してかかる、科学派の著者。
これまでの眉唾な心理学ものじゃなくて、ちゃんと分析に基づき、それを噛み砕いて説明してくれてるのが好感が持てる。
関係ないんだが、ラーメンズの「イロイロマン」思い出した。
ぜんぜん関係ないね。
伝える力 / 池上彰
頭の中でいろいろ考えていて、それがどんなに素晴らしい内容でも、それが人に伝わらなくちゃ何の意味もない。
それは表現者だけじゃなくて、日常どんなことをしていてもそう。
そのあたりを鍛える意味も含めてブログを書き続けてるわけだが。
現在の仕事にも関わることだが。たとえば、子供ってやつは本当に面白くて、大人には想像もつかないことを考えたり行動に移したりするのだが、まだそれを上手に人に伝える術を持たない。
そこで、「編集」という技術が必要になるわけだ。
「編集」は、ものをわかりやすく整理し、噛み砕いて人に伝えるために必要なこと。カオスはカオスのままでは伝わりづらい。
受け手にちゃんと伝わって、初めて「面白い」が生まれ出るわけだ。
伝達者が優秀ならば、実際大したことでない事でもすごいことのように構成しなおすだろうし。
逆に伝達者が下手だと、元の事実や情報が死ぬ。
伝えるということは、伝える相手がいて初めて成立する。
相手やその層に合わせ、伝え方は変えていかなくちゃならない。
独りよがりで発散するのは、一部の天才芸術家だけで結構。僕たち一般の人は、上手に伝えることを学んでいこう。
恋愛脳―男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか / 黒川伊保子
読みながら、いろんなところでうなずきまくり^^;
非常にいい本なんだが…、ちょっと達観なされすぎている気がしなくもない。
僕みたいな未熟な男がこの本を読んでしまうと、一歩間違ってその「男性能・女性脳」理論に甘えてしまいそうだ。
男と女はまったく違う生き物だということには至極賛成。
特に裏表紙にもあった、「男が愛してると言えば、必ず君のもとに戻るという意味。でも女には、これからずっと最優先で君のことを考えると聞える。」のあたりでグサグサグサリ。まさに感じてる通りのズレだからだ。
著者に、「男に気持ちなんてものはない」と言われ、「はい、その通りなのかもしれません」と答えちゃいそうだ。
男からはちょっとイラッとくる文体に感じられるが、どうなんだろう。「私の大好きなひと」や「ふふふ」は、自分をちょっと役者に仕立て上げすぎな感じもするが。ロマンチストは好きだけど。
狙ってやってる気がしなくもない。立ち読みしてこの文体で、この本を買おうとする成人男性は少ないだろう。
読んでて都合の良すぎる理屈がところどころ感じられ、著者が自分に言い聞かせながら書いてるような気がしなくもない。
いろいろ考えさせられるが、鵜呑みはちょっと危険な本。あ、でもいい本ですよ。恋愛でいろいろ考えてるときには良く効きます。
book's archives
最近読んだのまとめてレビュー7月中旬の巻。
2週間分レビューまとめ!
最近、電車通勤で往復時間が長い。2時間ほど空いた時間がある。
空いた時間ってのはまたなかなかよくて、すごく宙ぶらりん。何者でもない「自分」をふと感じる時間だったりもする。
まあそれはそれとして、そんなすぽっと空いた自分に、そんな時に読む本はすごく影響を与えてくれる。中学生くらいの頃からずっとそうだったような。
本を読んだり映画を観た直後っていうのは、何かと影響を受ける。特に僕は影響を受けやすい。染まりやすい。
まあそんだけ自分の中身はからっぽだってことだ。
と、いうわけで、ここ2週間ほどで観た映画と読んだ本をまとめてみる。
「西の魔女が死んだ」
先々週の日曜日、銀座で彼女と観る。良かった…ものっすごく良かった…。
おばあちゃんは西欧の人だけど、考え方はすごく仏教的だなぁなんて思ったりもした。
ものすごく印象に残ってるのは、りょうさんの演じる娘さんに言われた「おばあちゃんは、信念の人だから」というセリフ。直後のおばあちゃんの表情が心に焼き付いている。
信念を持って、自分ですべてを決めるということ。それは、たしかに素晴らしいことだが…、一番大事なことだろうか。
自分で決める。意思を持つ。他者に軸をぶらされること無く、信念を貫いて生きる。立派なことだとは思うが、ふとした瞬間に疑問と孤独を感じる。
暖かい雰囲気でほっと癒される一方、いろいろと考えさせられる映画だった。
「クローズド・ノート 」
映画の方はまだ観てない。
「犯人に告ぐ」の時にも思ったが、この作者さん内面描写が巧すぎ!
周りから「天然」と思われてる子の内面描写。いいです。すごく、いいです。内面の振る舞いと、それが外からは少しズレるという感じをここまで巧く表現できるのが素晴らしい。
万年筆が欲しくなった。字、下手だけど。
「あかんべえ」
いわゆる良質のエンターテイメント。
こないだ読んだ「しゃばけ」といい、京極夏彦先生といい、流行ってるのかお化けモノ。
素直に楽しめる作品でした。
相変わらずなんていうか、ヒステリックになってる人を描くのが巧い気がする宮部先生^^; 世間の男たちを女嫌いにさせてどうするんですかセンセ。
「28歳からのリアル」
脅迫本w
「お前らこのままじゃヤバいよ」というスタンスで、ビシビシと現実を突きつけてくる本。たまにはこういうのもいい。
書き方は脅してくるようで好きにはなれないが、冷静に現状と向き合える。これくらい厳しい方が、現実的に役に立つ。
書いている内容をそのまま受けて考えるのじゃなくて、自分の反省の種として参考になる感じ。社会の中でどういう意識を持つ必要があるか、それを考え直すためのいい参考書。
「座右のニーチェ」
なんか、「なんでこっち行っちゃったんだろう」と感じる空しい本。
平積みになってたのでなんとなく買っちゃったが、斉藤孝先生の「ニーチェは素晴らしい」「私はこんな風に参考にしてる」を聞かされるだけのなんかイマイチな一冊。
あんまりニーチェの考え方も好きになれなかったりする。肩がこる。疲れる。
仏の教えの方がはるかに緩くて暖かくて根源的で好きだ。
「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代」
著者が、いわゆるこれまでの「レールからこぼれた」アウトサイダーたちに話を聞きにいった内容のまとめ。
ただ、アウトサイダーの中でもわりと成功者ばっかりだから、うかつに鵜呑みにすると危険。
やっぱりちょっとこの人はエリートな感じ。上野の立飲み屋で飲んでても、「自分は違う」って思ってそう。
ちなみに個人的にアメ横裏の小汚い居酒屋が好き。大好き。味なんて求めてない、ただそこに一体化して酒飲んで酩酊してたいだけだ。
「テロリストのパラソル」
主人公が、すごくいい。
結局この世で一番強いのは、金持ってる奴でも思想持ってる奴でも美しい奴でも何でもなく、目の前のホットドッグを最高に美味しく仕上げられる奴なんだ。
そういう人間には、誰も勝てない。何があろうと、目の前のことを受け入れてその中で「何しよっかなぁ」って探すからだ。
一番強いのは、「求めない」人間。
そして、そういう人間は周りを不安にさせる。得てしてそういう人間は優しいから、モノを大事にする「フリ」をする。それをしないのはただのニブちんだ。
だけど、そばにいる人間にとってはそれは絶望。その人間は、何を失っても変わらない。完成されてるんだ。はなから何も求めない。
それは果たして、幸福か不幸か。
そういう人間は、「幸福」という概念すら考えないのだろう。ただただ、周囲に合わせるだけだ。
「人に聞けない大人の言葉づかい」
名著「思考の整理学」の、外山滋比古先生の最近の著書。
うーん…、ちと堅い。心構え的なことは素晴らしいんだが、堅すぎてちょっと実践味にかける。
人はなかなか他人の立場に立って考えられない。考えているつもりでも、大事な要素を抜け落として考えてる。一歩間違えたらありがた迷惑だ。
そうした状況に対し、すごく参考にはなる。こうすれば相手が気持ちいい。こうすれば相手が嫌な思いをしない。そうしたところは、経験と深い読みが必要なところだ。「あなたのためを思って」で迷惑をかけるバカが、この現代、後を絶たない。
相手のことを徹底的に考える。理屈や型通りの礼儀よりも、気持ちのために。
そんな感じ。駆け足で。
最近、殿様化してるtwitterを見限りWassrへ出向。
国産2番手、遠巻きに支援! ユーザーって厳しいんですね~…。
金持ち父さんの起業する前に読む本。
だらだら読んでたのですが、さきほど読了。金持ち父さんシリーズの、「起業」に特化した集大成みたいな一冊。とはいっても、僕は会社を作ることになると言っても別にビジネスを新しく立ち上げるとかそういうわけでもないので、すぐ直接的に参考になるわけではないが。それでも心構え的なものはありがたくいただきます。
やはりテンションが上がるこのシリーズ。「タダ働きをしろ」は、実感からしても至極もっともな理屈。
お金は絶対に必要だが、仕事ってのは人が起きてる時間の半分を占める。これを楽しまないなんて、人生を楽しまないのと一緒だ。えげつない仕事が目の前に降りかかってくれば、「やるしかない」と燃える。そこまでえげつないのがきていなければ、目の前の仕事を徹底的により良くしてみる。ただただそんだけなんだが、それが楽しいし、このサイクルが死ぬまで続けばいいなと思う。
自分がしなければいけない仕事を楽しむには、そのための力が必要。力が足りないと、どんどんつまらなくなっていく。力をつけるために、まずはタダ働きだ。「時は金なり」はその通り。価値ある時間をいただけるのは、お金をもらうのと同等、いやそれ以上の意味があると思っている。
「使命」について熱く語っていたが、何だろうな、使命。まだそこまで大きなものは考えられていない。一つだけ揺るがないのは、僕に仕事を頼んでくれた人に「君に頼んで良かった」と喜んでもらうこと。
目の前の人の笑顔。それだけが仕事に本気になれる理由だし、これが崩れたら仕事をする意味を見失う。そして仕事を受け取る時も、「君に頼みたい」と言われるような仕事をし続けたい。ただそれだけだ。まだ、手の届く範囲から外に出られていない。
最後の方だが、「高価格帯か低価格帯か」の話は非常にはっとさせられた。たしかに原価のかからない仕事。安くするのは簡単だが、それは結局自分の首を絞めることになるし、低クオリティで大量生産しても一体自分がなんで仕事をしてるんだかわからなくなるだけだ。それよりは、もっともっとクオリティを追求して高付加価値・高価格帯で戦いに行くかと。そんな風に考えたりもした。
金持ち父さんの起業する前に読む本 -ビッグビジネスで成功するための10のレッスン
白根 美保子

書評「思考の整理学」 著・外山滋比古
名著。手元に置いて随時読み返すべき至言。
見出しは「グライダー」からはじまり、最後にはコンピューターの力に言及して終わっている。
この本が、1980年代に書かれたというのがまたすごい。現在、webが人間の思考回路を変質させている。ショート寸(ry。今、著者の外山先生はどう考えているのだろうか。
当時で、現実の身体感覚を伴う一次世界と、脳ミソ的な二次世界について触れているのがすごい。…というか、それは昔からなのか。書物からwebへと超進化しただけで。当時は、テレビにおける擬似経験について言及していた。現在ならば、webの方がよっぽど深刻だろう。
書き出しの「グライダー」とは、自ら思考しないで上手に風に乗る人間を示した外山氏の比喩。グライダー人間、要するに詰め込み型教育で暗記し、定型をマスターした者。それはコンピュータには勝てない。記憶や計算で人間が勝てるわけない。
必要なのは、「機能をどう使うか」それに尽きる。実際に知識として知らなくても、情報として「そういうものが存在する」ということが頭に入っていれば、すぐにアクセスして取り出せるのがweb。
自分たちに必要なのは、思考の枠組み。設計だ。具体的な作業はPCがやってくれる。
この本は、かなりゆっくり読んだ。というか、電車の往復時間に読んでただけな上、読みながら半強制的に考えを膨らませられたから時間がかかったんだが。
そういうわけで、読んでいる最中の思考の展開は過去のエントリーでいろいろ触れている。以下、全て「思考の整理学」から膨らんだこと。そちらも書評の一部とさせていただきたい。
収穫逓減の法則。 - HamNote
文章による抽象化。 - HamNote
「誉めて伸ばす」への疑問。 - HamNote
思考を人に話す3段階。 - HamNote
三多三上。 - HamNote
英語を身に付けたい理由。 - HamNote
![]() |
思考の整理学 (ちくま文庫) 外山 滋比古 筑摩書房 1986-04 売り上げランキング : 251 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
書評「ifの迷宮」 作・柄刀一
ミステリー。
宮部みゆき先生絶賛の帯にひかれて、あと本屋が閉店間近だったのであわてて買ってしまった。
うーん、合わない(´・ω・`) なんか読みづらい。
描写の比喩が多いのだが、いちいち蛇足感がしてひっかかる。文章がすっとはいってこなくて、読んでて疲れる。キャラが薄い。
遺伝子系のうんちくみたいなものが好きな方にはハマるかも。
…と、思ってamazon見てみたらやっぱり酷評(;^ω^) 「苦行のよう」とはまた巧いレビューをww 賛成。
じゃあamazon貼るなよ!って話ですがとりあえず形式上。
| ifの迷宮 (光文社文庫) |
|
![]() |
柄刀 一 おすすめ平均 ![]() まるで苦行のよう。 思うに… ひどすぎるAmazonで詳しく見る by G-Tools |





まるで苦行のよう。
思うに…














